1860年にエイブラハム・リンカーンがアメリカ合衆国の大統領に選ばれると、南部の州は合衆国から分離し、「アメリカ連合」を作り、ジェファーソン・デイヴィスを大統領に選びます。ここで始まったのが南北戦争で、最初は南軍が有利でした。しかし、1863年1月にリンカーンが奴隷解放宣言をすると、北軍がアメリカ国内、そしてヨーロッパの支持を得るようになります。南部はそれに反発しました。綿花の栽培が産業の中心だった南部は、奴隷は必要なものと考えたからです。なお、アメリカの黒人奴隷の悲惨な状況はストー夫人の『アンクル・トムの小屋』などで知ることができます。
1865年、北軍が南部の首都リッチモンドが攻め落とし、南北戦争は終わります。南北は統一され、そして、アメリカ合衆国とインディアン(この呼び名についてはこちらをどうぞ)の土地の境界だったミシシッピ河を越えて、多くの人々が西部へ移住するようになります。なお、ミシシッピ河をアメリカ合衆国とインディアンの土地の境界と定めていたのが、(インディアン強制移住法です) ローラが生まれたのは南北戦争の2年後です。だから「小さな家」シリーズに南北戦争は描かれていませんが、『大きな森の小さな家』第8章に、陸軍の鼓手になりたくて14歳のときに家出したジョージおじさん(とうさんの弟)が登場します。とうさんが「ジョージはすっかりあら男になってしまったよ。戦争から帰ってきてからな」と嘆くのです。確かに、ジョージおじさんは戦争による心の傷を抱えているようです。本当は優しいのだけど、どこか荒々しく家族の中でも孤立して見えるのです。 |