「小さな家」に描かれたアメリカ

「小さな家」に描かれているのは、いわゆる「開拓(かいたく)時代」のアメリカです。「いわゆる」というのは、「開拓時代」が16世紀以降にヨーロッパからアメリカに移住した白人から見た見方だからです。なお、日本で言えば、だいたい明治時代です。

19世紀の半ば、「アメリカ合衆国」は現在の半分くらいで、ミシシッピ河から西はインディアン(1)の土地でした。しかし、ローラが生まれる2年前に南北戦争が終わると、人々はより広い土地を求めてミシシッピ河を越え、西へ西へと移動していきました。彼らを「開拓農民」といい、ローラのとうさんもそのうちの一人でした。

政府の事務所で申し込みをして、未開の(=耕されていない)土地を耕し、条件をみたせば、土地は自分のものになったのです。こうやって得た土地を「開拓農地(=ホームステッド)」といい、これを認める法律を、自営農地法(ホームステッド法)といいます。詳しくはこちらをごらんください。

当然のように、「開拓農民」とインディアンの間には争いが起こり、『大草原の小さな家』に、戦いの準備をするインディアンの「ときの声」を聞いて、ローラたちがおびえるようすが書いてあります。しかし、白人たちの力は強く、ローラがアルマンゾと結婚する頃には、インディアンの土地はほとんどなくなり、これを「フロンティア(=開拓されていない土地)の消滅」と言います。

(1)「インディアン」という呼び名についてはこちらを、「インディアン」が西へ西へと追いやられるきっかけの一つ「インディアン強制移住法」についてはこちらを読んでください。
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