日本数学会における研究成果の発表

2013年9月25日(水曜)、愛媛大学で開催された日本数学会秋季総合分科会において、スペクトル解析に関する最新の研究成果を発表しました。

函数方程式論分科会で発表された研究テーマは Lieb-Thirring inequalities for Schrödinger operators で、量子複雑系の状態を記述する Schrödinger 作用素に対するエネルギー固有値についてポテンシャル項を用いて評価するなど、主にミュンヘン大学で取り組んだ研究の成果を紹介しました。 特に、 Lieb-Thirring 不等式の係数について、 長年の懸案だった Lieb-Thirring 予想に基づく最良評価を得るための具体的な十分条件のひとつを今回初めて提示しました。 今後は、その十分条件を満足するようなポテンシャル項を求め、エネルギー固有値に関する Riesz 平均を計算することが課題です。

本研究の成果は、量子複雑系の安定性に関する問題に応用されることが期待されます。