next up previous
次へ: もう少し大きくいうと・・・ 上へ: どうしてこのプログラムをつくりたかったか 戻る: どうしてこのプログラムをつくりたかったか

実務的な問題

これまで学務課を通じてシステム課で処理をしてもらっていた方法ではいくつか物足 りない点がありました。

複数正解処理ができない(1)
例えば、次のような問題を考えてみましょう。
$x^{2} = 1$ の解は (問4)(問5) である。
選択肢 (1) 0, (2) 1 (3) -1 (4) 2 ・・・
この場合、「問4」と「問5」のマークは (2) (3) のどちらが先にこよ うと正解です。しかも、問4と問5の答えは ``排他的'' です。つまり(2)を2回 続けてマークしたときは半分しか正解にできません。

しかしこの処理は本学の標準的なスクリプトでは対処できませんでした。

複数正解処理ができない(2)
同じように ``排他的でない''複数回答も処理 できませんでした。例えば「信号の色の一つは(問6)」というような問題のとき、 正解は「赤、青、黄」のどれでも良いのですが、これが処理できませんでした。
受験者の学籍番号しかない
処理されて出てきたファイルは、基本的にその 試験を受けた学生のみでした。そこで「学籍番号を照らし合わせて履修 者名簿に点数を書き移す」という作業が必要でした。この作業が結構 大変でしたし、転記ミスが混入する可能性が常にありました。
正解・配点マークが大変
僕のようにものぐさな者には、正解と配点の2種 類のマークシートをマークするのはとてもわずわらしく感じられまし た。特に正解のマークではマークミスが致命的です。あとから自分の マークミスに気づいた場合、学務を通じてもう一度全部の処理をやり 直してもらう必要がありました。
これらの諸問題をなんとかしたいと思ったのが本プログラムの作成動機です。 「Mark くん」では上の問題点を解決するのに、以下の基本方針を立てました。
シート処理は学生の回答読み取りのみとして、正解・配点は手元のファイルで操 作する
これによって、複数正解処理を可能にし、かつ正解・配点についての修正をフレ キシブルに行えることを目指しました。

簡単に言うと、いったん採点して ``出来 ''をみたあとで、「平均点が低いなあ、問3の配点を3点にするか」というような 操作を可能にしました。また、学生の出来をみたあとでどうしてみんな間違って いるのかと思ったら、「しまった、問3の正解 は(4)だったんだ。まちがって(5)にマークしちゃった!」と気づいても すぐに修正と再採点ができるようにしました。


平成15年7月11日