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広義の意味では、教育を受ける権利(憲法第26条)や労働者の団結権(憲法第28条)等、個人の生存または生活の維持及び発展(人間らしい生活)に必要な諸条件を国家に対して要求できる権利(社会的基本権とか社会権ともいわれる)をいい、狭義の意味では、「健康に文化的な最低限度の生活」(憲法第25条)を営むための必要な諸条件を国家に要求できる権利をいう。後者の権利は、生活保護法(公的扶助)その他の社会保障立法により具体化される。 ところで、憲法の生存権規定が、宣言的意義しか有しないプログラム規定(憲法の規定は、国民個人に司法的救済を伴う法的権利を保障するものではなく、その実現にむけた国の政治的・道徳的な努力義務を課したのにすぎないもの。例えば朝日訴訟最高裁判決)にとどまるか、何らかの具体的法的効果を持つものかについては見解が分かれている(近年、何らかの法的権利制を認める見解が有力である)が、最高裁は、立法が「著しく合理性を欠き、明らかに裁量権の逸脱、濫用と見られる場合」は、憲法の生存権規定に基づいて違憲判断がなされると判断している。 |
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国民が、社会の一員として「人たるに値する」生活を営むためには、一般的な常識と一定の文化的・社会的・政治的教養、さらには見識が必要である。そのため、基本的人権の中の社会権の一つとして、憲法第26条が国民に保障しているのが、教育を受ける権利である(世界人権宣言第26条・「世界人権規約」A規約第13条)。 すなわち「すべて国民は、法律(教育基本法、学校教育法、日本育英会法、民法等)の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」のである(教育を受ける機会の均等)。教育の機会均等については、教育基本法第3条1項が、「@すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであって、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位または門地によって、教育上差別されない A国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない」と、これをさらに具体的している。ただ、憲法は、「その能力に応じて」という条件を付けているので、能力による差別(区別)は許されることになる。 また憲法は、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育(義務教育)を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする」と規定し、教育を受けさせる義務と義務教育の無償についても定めているが、義務教育の無償については、教科書や文房具などまでは無償である必要はないというのが、一般的の見解である。 |
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☆勤労(労働)の権利☆ 労働の意欲と能力がありながら就職できない者が、国家に対して労働の機会(職に就ける機会)を請求できる権利、あるいは、失業補償を受ける権利で、憲法第27条は、勤労の権利としてこれを保障している。また、世界人権宣言第23条は、「1 すべて人は、勤労し、職業を自由に選択し、公正かつ有利な勤労条件を確保し、及び失業に対する保護を受ける権利を有する」と規定し、さらに「世界人権規約」A規約第6条もこれを保障している。 だがこれらの規定はプログラム規定(憲法の規定は、国民個人に司法的救済を伴う法的権利を保障するものではなく、その実現にむけた国の政治的・道徳的な努力義務を課したのにすぎないもの。例えば朝日訴訟最高裁判決)の意味しかなく、憲法の規定を根拠に国家に労働の権利を具体的に主張しても認められないのが現実である。すなわち労働の権利は、国家による具体的な法律の制定によって初めて具体化される性質のものでと言わなければならないのである。そのための法律として、雇用対策法、雇用保険法、失業対策法等が制定されている。また解雇4条件に見られる解雇制限法理も労働の権利の側面から重要なる役割を果たしている。 |
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☆労働基本権☆ 労働者生存権(「人たるに値する生活」)確保のために保障される基本的権利で、労働者の団結権(労働者が労働組合を結成し、組合運動をする権利)・団体交渉権(労働組合が、使用者または使用者団体と賃金・労働時間その他の労働条件を維持改善するために交渉する権利で、使用者はこれに応じる義務を有する)・争議権(労働者が団結し、労働条件の改善などの目的を貫徹するため、ストライキその他の争議行為をする権利)の三つの権利(労働3権)によって構成される基本的人権の一つである(憲法第28条)。使用者がこれらの権利侵害した場合は、不当労働行為になる。 なお、これらの権利は、労働組合法により具体的に保障されているが、労働3権は、単なる自由権より以上の積極的意義を有している理解されている。 労働者の生存権である団結権・団体交渉権を保護するため、使用者による権利侵害を不公正(不当)な行為として法的に禁止する制度で、1930年代アメリカでニューディルの一つとして創設されたのが制度の始まりである。 戦後民主化政策の一環として制定された労動組合法第7条もこの制度を導入し、使用者が労働者の組合加入や組合活動を理由に「不利益取扱い」をすること、組合の運営に「支配・介入」すること、正当な理由なく団体交渉を拒否することなどを不当労働行為として禁止している。なお、不当労働行為を受けた労働組合や組合員は、労働委員会に救済を申し立てることができ、労働委員会は不当労働行為と認めた場合、その禁止や回復措置を命ずる救済命令を出すことになる。 |