政党交付金(政党助成法)
総務省は10年1月19日、2010年分の政党交付金を受け取るため、8政党が届け出たと発表した。共同通信の試算では、衆院選で大勝した民主党は、前年比36億3700万円増の172億9700万円で、初めて交付金でも第1党となった。一方、自民党は36億500万円の大幅減で、103億7500万円。民主党に約69億円の差をつけられた。公明党は23億8900万円(前年比2億2900万円減)、社民党は8億6400万円(同2600万円減)、国民新党は3億9700万円(同2200万円減)となった。09年の衆院選で議席を増やしたみんなの党は、2億4800万円増えて3億6100万円、新党日本は1億3500万円(同4600万円減)。自民との“議員トレード”で交付要件を保った改革クラブは1億2千万円(同4300万円増)を維持した。政党交付金制度に反対する共産党は、申請していない。なお、政党交付金は、国民1人当たり250円を負担し、総額は319億4100万円(10年1月20日配信『共同通信』)。
読売新聞社は09年9月2日、衆院選の結果を受け、2010年分の政党交付金の各党への配分額を試算した。圧勝した民主党は最多の173億200万円で、09年に当初、配分される予定だった額より54億6900万円(46・2%増)の大幅増となった。惨敗した自民党は104億6700万円で、52億6600万円(33・5%減)の激減となる。 自民党への交付額は、政党交付金制度が始まった1995年以来最少、民主党への交付額は最多となる。09年の交付額も、選挙結果に基づいて当初の配分予定のうち9月〜12月分が見直される。この結果、自民党は17億5500万円減の139億7800万円、民主党は18億2300万円増の136億5500万円になる。今回の試算は、衆院選の結果を受けた8月31日時点の所属国会議員数や衆院選の得票割合などを基に実施した。10年分については、みんなの党は所属国会議員数が5人以上などの政党要件を満たし、交付対象になる。

09年10月05日付『読売新聞』
日本共産党は、政党助成金制度は、支持政党にかかわらず国民の税金を各党に配分する政党助成金が思想・信条の自由を侵すとして一貫して廃止を主張し、受け取っていない。

左;06年12月30日付『しんぶん赤旗』/右;09年04月19日付『しんぶん赤旗』)
1994(平成6)年3月に制定された政党助成法に基づいて行われる、赤ちゃんからお年寄りまで国民1人あたり250円の税金からなり、年間317億3千100万円の税金が、4回(4月、7月、10月、12月)に分けて配られるもので、その使い道もほとんど制限がない、いわゆる“つかみ金”でもある。
金額は1月1日を基準日として申請した政党の議席と国政選挙の得票に応じて算定される。このため自民党は06年12月4日、野田聖子元郵政相や堀内光雄元総務会長など郵政造反組11人の年内駆け込み復党を認め、「刺客」の現職議員がすでに小選挙区支部長として存在する選挙区では、助成金や企業・団体献金の受け皿として新たに「県衆院支部長」のポストも用意した。11人が年内に復党したことで来年は自民党に約2億5千万円割り当てが増え、総額は170億円を上回る見込み。なお、日本共産党は、支持政党にかかわらず国民の税金が各党に配分される政党助成制度が思想・信条の自由を侵すとして廃止を主張し、受け取りを拒否している。
06年12月分の政党助成金が06年12月20日、受け取りを請求した各党に交付された。06年の交付総額は自民党168億4千600万円、民主党104億7千800万円、公明党28億5千800万円、社民党10億600万円、国民新党2億6千600万円、新党日本1億6千万円、自由連合1億400万円。
09年4月20日、総務省が7党に行う1回目の交付総額は77億8000万円。年間319億4000万円。
|
06年の政党助成金支給額(06年1月18日確定) 総額は05年と同じ317億3100円。助成金の半分以上を自民党が占める。 自民党 168億4,600万円(14億2,700万円増) 民主党 104億7,800万円(17億1,400万円減) 公明党 28億5,800万円( 1億1,300万円減) 社民党 10億0,600万円(
2,200万円減) 国民新党
2億6,600万円 新党日本 1億6,000万円 なお、日本共産党は、この制度が支持もしていない政党に強制的に献金させられるもので、国民の思想・信条の自由を侵すものと批判し、受け取りを拒否している。 国民新党と新党日本は05年10月から新たに受け取っている。 総務省は06年4月20日、今年1回目の政党交付金(助成金)約79億3,200万円を7政党に交付した。7月、10月、12月にも同額が支給される。各党交付額は次の通り。自民党42億1100万円▽民主党26億1,900万円▽公明党7億1,400万円▽社民党2億5,100万円▽国民新党6600万円▽新党日本4,000万円▽自由連合2,800万円。 |
|
05年9月11日投開票の総選挙の結果を受けた05年分の各党の政党助成金の新たな配分額 自民党 157億9,400万円(3億7,500万円増) 民主党 117億7,300万円(4億1,800万円減) 公明党 29億4,600万円( 2,400万円減) 社民党 10億2,400万円(
300万円減) 国民新党
6,000万円 新党日本 4,000万円 なお、日本共産党は、この制度が支持もしていない政党に強制的に献金させられるもので、国民の思想・信条の自由を侵すものと批判し、受け取りを拒否している。 |
国から各政党の政治資金を補助するために提供される金銭で、1994(平成6)年3月に制定された政党助成法に基づいて行われる。一般に政党助成金といわれるが、正式には(法律上は)政党交付金といい、日本の民主主義を健全に維持するための必要なコストともいわれており、02(平成14)年の政党交付金の総額は317億3,100万円(うち自民党が151億6,395万4千円)であった。
なお、奈良県上牧(かんまき)町議会(02年12月)や、北海道小清水町議会(03年3月)など地方議会でも、「『政党交付金』を直ちに廃止し、その財源を経済不況で苦しんでいる国民の生活に役立つ施策への財源とすること」(上牧町議会)など、廃止を求める意見書が可決されている。
|
☆政治資金☆ 政党や議員が、選挙や議員として日常活動に使われる費用で、日本共産党以外の各政党は、政党交付金と企業や業界、労組などの団体、個人から政治活動を応援する目的で受ける寄付金がその主たるものである(日本共産党の主要な政治資金は、新聞・機関誌等の販売による事業収入と党費である)。 なかでも企業や団体からの寄付額が多いが、しかしそれらは、特定の利益を企業、団体または属する業界に対して、政治活動を通じて確保する目的によるものが多く、多くの構造的疑惑を招き、政治不信が生まれた。そのため規制の声が必要となり、特に1992(平成4)年の金丸(脱税)事件は、企業・団体献金の問題点(恥部)を余すところなく暴き出した。 それを契機に、“ざる法(粗雑で漏れが多い法律のこと。法律違反があっても規定が曖昧なため摘発が困難、あるいは摘発が少ない意味)”と言われてきた政治資金規正法が改正され、議員が企業・団体献金を受け取れる機会を少なくするように強化されたが、その後も疑惑は続いている。 それと引き替えに、政党交付金制度が、新たに設けられた。
|
T 政党助成法制定の背景
ロッキード事件やリクルート事件・金丸事件(1991〔平成3〕年9月に金丸信〔かねまるしん〕・元自由民主党副総裁と、金子清・元新潟県知事が政治資金規正法違反で立件されたが、金丸に対する東京佐川急便からの5億円の違法献金に対する罰金が20万円〔国会議員が同法違反で有罪となったのは初めて〕、あまつさえ、事情聴取しないまま、略式起訴によるそれは、「不平等だ」として国民から強い不満が出た。このため、5億円の配分先とされる国会議員約60人に対する政治資金規正法違反の告発も相次ぎ、東京地検は再捜査を行わざるを得なかった。しかし同年12月の結果は、氏名不詳のまま嫌疑不十分で不起訴処分であった。その後1993〔平成5〕年3月、同事件の捜査の過程で発覚した多額の脱税容疑で金丸は逮捕されたが、公判中の1996〔平成8〕年3月28日に81歳で死去)等々、相次ぐ構造疑惑(汚職)事件の続出から、国民の間に政治不信が醸成された。
そのため、政府の諮問機関である第8次選挙制度審議会は、「政治腐敗の解消および政治活動に必要な財政基盤の強化を目ざすために」公的助成(税金の投入)が必要であると1990年(平成2)年に答申、これに基づいて制定されたのが政党助成法である。
しかし本来、近代政党は新聞・機関誌の発行による事業収入や党員の党費、個人献金等の自らの政治活動によって政治資金を調達すべきであって、安易な公的助成は政党本来の機能を低下させるばかりか、政党に対する公的機関のコントロールの危険性を生む等、政党の自主的活動が阻害されることになり、さらには、政教分離(憲法第89条)の憲法の基本原則にも反するとの批判が根強く存在する。
それ故、終始一貫、政党に対する公的助成に反対した日本共産党は、政党助成法成立後も筋を通してその受け取りを唯一拒否している。
![]()
「@助成を必要とする政党の要件 A政党の届出 B)使途の報告、その他必要な措置を講ずる」ことを定めた政党助成法の内容は、以下のとおりである。
U 政党交付金の要件
政党は、結社の自由を基本的人権の主要な一つとして日本国憲法が保障する(第21条)ところであるが、政党交付金を受けるには、以下の要件のいずれかを満たす必要がある。
1.当該政治団体に所属する衆議院議員、または参議院議員を5人以上有すること。
2.衆議院議員、または参議院議員を有し、かつ直近に行われた衆議院議員総選挙(小選挙区選挙か、比例代表選挙のいずれかの選挙)、または前回、前々回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙)のいずれかにおいて、全国を通じた得票が2%以上であること(第2条1項2号。いわゆる「2%条項」であるが、この条件についてはミニ政党の排除、強いては主権者である有権者の意思の切り捨てにつながるという批判がある)。
|
政党助成法第2条(政党の定義) @ この法律において「政党」とは、政治団体(政治資金規正法〔昭和23年法律第194号〕第3条第1項に規定する政治団体をいう。以下同じ。)のうち、次の各号のいずれかに該当するものをいう。 1.当該政治団体に所属する衆議院議員又は参議院議員を5人以上有するもの 2.前号の規定に該当する政治団体に所属していない衆議院議員又は参議院議員を有するもので、直近において行われた衆議院議員の総選挙(以下単に「総選挙」という。)における小選挙区選出議員の選挙若しくは比例代表選出議員の選挙又は直近において行われた参議院議員の通常選挙(以下単に「通常選挙」という。)若しくは当該通常選挙の直近において行われた通常選挙における比例代表選出議員の選挙若しくは選挙区選出議員の選挙における当該政治団体の得票総数が当該選挙における有効投票の総数の100分の2以上であるもの A 前項各号の規定は、他の政党(政治資金規正法第6条第1項〔同条第5項において準用する場合を含む。〕の規定により政党である旨の届出をしたものに限る。)に所属している衆議院議員又は参議院議員が所属している政治団体については、適用しない。 |
V 政党交付金の総額と配分方法
1.政党交付金の総額は、日本の人口に250円を乗じた額(同法第7条)が予算に計上される。助成第1年目の1997(平成9)年の総額は、314億円であったが、この金額の算定の基礎は、「選挙制度あるいは政治資金制度の改革後における政治活動の経費の所要額」の3分の2であると言われている。
2.政党交付金の配分は、総額の2分の1が各政党の議員数に応じて、また2分の1が各政党の得票数に応じて配分される(同法第8条)。だが過去の選挙結果に基づく配分されるこの方式は、新政党にとって不利であり、また、小選挙区制の下では、議席数が得票率に比例的に表れないという基本的問題がある。
|
政党助成法第7条(政党交付金の総額等) @ 毎年分として各政党に対して交付すべき政党交付金の策定の基礎となる政党交付金の総額は、基準日における人口(基準日の直近において官報で公示された国勢調査の結果による確定数をいう。)に250円を乗じて得た額を基準として予算で定める。 A 毎年分の議員数割及び得票数割の総額は、前項の総額のそれぞれ2分の1に相当する額とする。 |
W 政党交付金の使途の自由と報告義務
1.政党が受けた交付金の使途については、政党活動の自主性(政治活動の自由)を尊重するため、使い道は各政党の自由に任されている(同法第4条)。
2.とはいえ、国民が納める税金を財源としていることから、法律は、政党に会計帳簿の備付けを義務づける(政党がこの報告書などを提出しないときには、当該政党に対して交付すべき政党の交付金の金額、または一部の助成を停止することができる=同法第34条)と同時に、総務大臣への報告書の提出義務を課している。また納税者に対する情報公開は必要不可欠であるところから報告書の要旨は官報に公表され(同法第31条)、監査意見書、監査報告書などとともに告示の日から5年間、総務大臣(政党の支部報告書などについては、都道府県選挙管理委員会)が保存することが義務づけられている。さらに、閲覧の請求があれば、これに応じなければならない(同法第32条)。しかし、その閲覧については、コピーが認めらないばかりか、オンライン検索もできないなど、問題点が多い。
![]()
☆04(平成16)年分政党交付金交付決定額☆
参院選結果を受け04年分の政党助成金の新たな年間配分額が04年7月14日までに決った。
|
自民党155億3,300万円(9,600万円減) 民主党118億1,900万円(2億8,600万円増) 公明党29億8,700万円(300万円減) 社民党11億1,100万円(7,400万円減) 自由連合1億8,500万円(4,500万円減) 無所属の会9,300万円(6,700万円減) |
☆02(平成14)年分政党交付金交付決定額☆
各政党への政党交付金の交付額は、政党助成法に基づく各政党からの基準日(1月1日)現在の届出により、4月1日に決定される。
|
自由民主党 |
151億6,395万4千円 |
|
民主党 |
87億1,882万2千円 |
|
公明党 |
29億0,614万8千円 |
|
自由党 |
19億6,878万9千円 |
|
社会民主党 |
17億9,198万5千円 |
|
無所属の会 |
3億7,474万2千円 |
|
保守党 |
4億4,984万9千円 |
|
自由連合 |
3億5,710万8千円 |
![]()
政党助成金2,730億円(95年〜03年10月)
1995年政党助成金が導入されて7年、莫大な借金を抱える国家財政の中、毎年300億円をこえる税金が、日本共産党以外の各党に投入されている。その間(95年〜03年10月)、投入された税金は、自民党の1,275億円をはじめ、その合計額は2,730億円に達している。
1.自民党=1,275億円
2.民主党= 482億円
3.社民党= 251億円
4.公明党= 188億円
5.自由党= 131億円
6.保守新党= 12億円
7.共産党=受け取り拒否
================
☆政党助成金 311億円のゆくえ☆
共産党の拒否分、自民ほか他党“が山分け” 不況下の血税33億円、民意なき配分⇒自民党には実に15億円が共産党から“プレゼント”――(99年)。
|
受け取らない党の分を他党で山分けするのは、政党が骨の髄まで税金に頼ろうとする政党交付金制度の基本的矛盾を端的に表している。最低限、受け取らない党の分が
他党に行かず国庫に戻るよう、制度を改めるべきだ。しかし、それすら主張する政党はない。 |
国会議員数と選挙での得票率 に基づいて各党に配分されることになっている政党助成金だが、実際には同制度に反対する共産党が受け取っていないため、結果的に共産党の分を他党が“山分け”する結果となる。
東京新聞の試算(1998年12月15日付)では、99年も約33億円が他党に回ることになる。
すなわち共産党は、助成金を受け取ることのできる政党としての届け出を総務省にしていない。このため、自治省(現・総務省〔01年、総務庁・自治省・郵政省が再編統合されて誕生〕)政党助成室によると、助成額を計算する基準となる各党の国会議員数の比率 や得票率は、実際の数字ではなく、無所属などとともに共産党分を除外した数字が使われている。そのため共産党が受け取れる額は、結果的に他党に分割・上乗せさることとなる。
共産党が受け取った場合はどうなるのか。99年交付見込み分について試算では、仮に共産党が受け取った場合、他党の交付額は、
|
などとなるが、実際には共産党分が他党に回るため、
|
自民 15億 円 |
がそれぞれ増額される結果となる。
98年の交付分でも、共産党が受け取ると約33億円の交付額は、 同様に他党に配分され、自民党にはやはり15億円前後の税金が回った結果となる。
自治省(現・総務省)政党助成室では「政党助成法は本来、届け出をしない政党があることも想定しており、要件を満たして届け出た政党には助成金を出すというのが趣旨。こちらの理解 としては、共産党の分が他党に上乗せされているのでない。共産党が届け出をすれば、他党の額が下がるということにすぎない」と説明している。
二院クラブも共産党とほぼ同じ理由で助成金を拒否してきたが、他党に山分けされるのを防ぐため、受け取る政党としての届け出を行い、交付額を確保したうえで交付請求をしないという“戦術”をとっており、その分は他党に流れず「不用額として会計処理
されている」(同室)。
◇ 腹立たしいが届け出しない==志位和夫・共産党書記局長の話
(他党に税金が流れるのは)非常に腹立たしい。しかし、届け出をしたら制度を認めたことになる。共産党のせいで他党が得をしているのでなく、そもそも他党が税金山分けの制度をつくって実行しているわけで、そういう制度には参加しないのが当たり前。制度そのものの矛盾だ。
☆ 共産党は目の前の利害でなく制度自体を批判する立場。制度が間違いだと言っている以上、今の対応 しかない。
![]()