
離婚後300日以内に生まれた子は「前夫の子」とみなす民法の第722条の規定により、無戸籍のまま08年5月末に男児を出産した兵庫県内の女性(27)が08年6月11日、男児の出生届を居住地の自治体に提出(親子2代にわたり無戸籍となる懸念があった)。
出生届は受理され、男児は、女性の夫の子として戸籍に記載された。
これに先立ち自治体は女性の婚姻届を受理。
無戸籍の人の結婚を認め、「無戸籍2世」に戸籍ができたのはいずれも初。
法務省は「法をはみ出した扱いではない。どうすれば戸籍をつくれるか(女性側と)調整した上で判断した」と説明。なお、男児をめぐっては鳩山邦夫法相が08年6月3日、受理を前向きに検討していることを明らかにしていた。
今回法務省が取った手続きは、無戸籍のまま女性の結婚を認める内容で、この特例に従えば、親子で無戸籍という事態が避けられるだけでなく、結婚は困難とされてきた無戸籍の人たちの結婚が認められることになる。
女性は、母親が前夫との離婚協議が困難な中、別の男性との間に生まれた。
なお、母親の夫による暴力が原因で出生届が出されず、無戸籍となった大阪府内の女性(24)が出産後、無戸籍のまま育てている子ども2人について、法務省は、新たな戸籍をつくる方針を固めた。母親の結婚相手の戸籍に入る形を認めたケースはあるが、子ども自らが筆頭者となって新たな戸籍がつくられるのは初めて。
大阪法務局と関係自治体が08年6月20日、女性本人に説明した。週明けにも具体的な手続きに入り、女性の長女(2)と長男(1)の戸籍ができる見通し。女性は子どもに戸籍ができたと同時に、子どもの実父との婚姻届を出す予定で、最終的に子どもは実父の戸籍に入る。これで「無戸籍2世」の連鎖は止められ、同じ境遇にある子どもたちへの救済策となる可能性がある(08年06月21日付『朝日新聞』)。
