
ひめゆりの唄/ひめゆりの塔(慰霊塔)/ひめゆり部隊(ひめゆり学徒隊)

’95年東宝制作『ひめゆりの塔』-神山征二郎監督,沢口靖子・後藤久美子ら出演
太平洋戦争で住民を巻き込む唯一の地上戦があった沖縄で,看護婦として従軍した「ひめゆり学徒隊」の女生徒が主人公。米軍の進攻に耐え,自決に追い込まれていく過酷な状況が描かれている。
4度目の映画化である。もちろん舞台は戦争末期に近い沖縄です。米軍による艦砲射撃。空襲。陸軍病院の看護活動に,女学生が動員されました。沖縄師範学校女子部と沖縄県立第1高女の生徒たちで「ひめゆり学徒隊」と呼ばれました。血,うみ,汚物にまみれた病院壕(ごう)の中での看護作業,死体処理……。米軍が上陸し,日本軍と学徒隊は命からがら移動する。さまよいながらの傷病兵の手当てします。実際の出来事の大筋を映画化したものです。
この国内唯一の地上戦で,沖縄の人々は米軍の攻撃に苦しんだだけでなく日本軍にもひどい目に遭わされる沖縄戦は,1945年3月26日,慶良間諸島で始まった日米両軍の戦闘から,同年6月23日,糸満市摩文仁の丘で,沖縄防衛32軍の牛島満司令官,長勇参謀長らが自決して日本軍の組織的抵抗が終結するまでの戦闘をさします。「鉄の暴風」と言われたほどの激しい艦砲射撃と空襲で,約20万人の犠牲者のうち,10数万人は一般住民でした。
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かつて(50年前)今井正監督作品の『ひめゆりの塔』に主演(女学生の役だった)した女優の香川京子さんが本を書いています。『ひめゆりたちの祈り――沖縄のメッセージ』というタイトルです。
香川さんは生き残った女学生たちと「同窓生」的なつき合いを始め,様々な沖縄戦の実相を書いています。いま「証言委員」27人が,ひめゆり平和祈念資料館で人々に当時の様子を説明しています。戦争の恐ろしさ,愚かさを,戦争を知らぬ世代に伝える語り部です。生き残った人が,死んだ仲間に「申し訳ない」と感じている。生きたかった仲間の無念さを伝える義務を感じている。「人間が人間でなくなる」戦争のこわさ。香川さんは話を聞き,さらに細かく調べてゆきました。
人々に尊敬されていた上原貴美子さんという婦長の最期の様子について,アルゼンチンに戦後移住した人をついに尋ねあて,聞き出した経過も記されています。
現代史について,知識もなく,実感もない,という人が増えつつある。戦争のむごさ,平和の貴さを語りつがずにはいられぬ,と思い定めた気迫が感じられる本です
(「映画『ひめゆりの塔』その後—1992年6月13日付『朝日新聞』(天声人語)より)
沖縄戦参考文献
ひめゆりの塔 芸苑社版
ひめゆりの塔(慰霊塔)