ハートビル法

 

高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律⇒施行令

 

公布;1994(平成6)年6月29日・法律第44号

最終改正;2002(平成14)年12月22日・法律第160号

施行;2003(平成15)年4月1日

 

 

1994年に成立したハートビル法は、建物の通路の幅や段差など、バリアフリー化の基準を政令で定め、一定の建物に、基準にそった改築などの努力を求めるもの。02年の改正案は、バリアフリー化の努力を求める建物を拡大したほか、デパートなど不特定多数が利用する建物や老人ホームなど高齢者や身体障害者が利用する建物のうち、政令で定める規模(2,000平方メートル以上)の建物、及び地方自治体が条例で定める建物のバリアフリー化が義務づけられた==⇒詳細は

しかし政府改正案でも、@高齢者や障害者の社会参加を権利として保障する規定がなく、計画策定などに意見を反映させる仕組みもなく、またA老人ホームなど高齢者や障害者に必要不可欠な建物でも、2,000平方メートル以下ではバリアフリーが義務付けられず、要望のつよい理髪店などのバリアフリー化の見通しも立たっていない。

 

 

 

第1章  総 則  (第 1条・第 2条)

第2章  特定建築物の建築等における義務等   (第 3条〜第 5条)

第3章  特定建築物の建築等及び維持保全の計画の認定      (第 6条〜第13条)

第4章  雑 則  (第14条〜第18条)

第5章  罰 則  (第19条〜第22条)

 

 

第1章 総 則

 

(目的)

第1条 

この法律は、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる建築物の建築の促進のための措置を講ずることにより建築物の質の向上を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。

 

(定義)

第2条

 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

@ 高齢者、身体障害者等 高齢者で日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受けるもの、身体障害者その他日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者をいう。

A 特定建築物 学校、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、ホテル、事務所、共同住宅、老人ホームその他の多数の者が利用する政令で定める建築物又はその部分をいい、これらに附属する特定施設を含むものとする。

B 特別特定建築物 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する特定建築物で、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにすることが特に必要なものとして政令で定めるものをいう。

C 特定施設 出入口、廊下、階段、昇降機、便所、敷地内の通路その他の政令で定める施設をいう。

D 建築 建築物を新築し、増築し、又は改築することをいう。

E 所管行政庁 建築主事を置く市町村又は特別区の区域については当該市町村又は特別区の長をいい、その他の市町村又は特別区の区域については都道府県知事をいう。ただし、建築基準法(昭和25年法律第201号)第97条の2第1項又は第97条の3第1項の規定により建築主事を置く市町村又は特別区の区域内の政令で定める建築物については、都道府県知事とする。

 

第2章 特定建築物の建築等における義務等

 

(特別特定建築物の建築等における基準適合義務等)

第3条 

@ 特別特定建築物の政令で定める規模以上の建築(用途の変更をして特別特定建築物にすることを含む。以下この条において同じ。)をしようとする者は、当該特別特定建築物を、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにするために必要な政令で定める特定施設の構造及び配置に関する基準(以下「利用円滑化基準」という。)に適合させなければならない。当該建築をした特別特定建築物の維持保全をする者についても、同様とする。

A 地方公共団体は、その地方の自然的社会的条件の特殊性により、前項の規定のみによっては、高齢者、身体障害者等が特定建築物を円滑に利用できるようにする目的を十分に達し難いと認める場合においては、特別特定建築物に条例で定める特定建築物を追加し、同項の建築の規模を条例で同項の政令で定める規模未満で別に定め、又は利用円滑化基準に条例で必要な事項を付加することができる。

B 前2項の規定は、建築基準法第6条第1項に規定する建築基準関係規定とみなす。

 

(特別特定建築物に対する基準適合命令等)

第4条

@ 所管行政庁は、前条第1項又は第2項の規定に違反している事実があると認めるときは、特別特定建築物(同項の条例で定める特定建築物を含む。以下この条において同じ。)の建築(用途の変更をして特別特定建築物にすることを含む。以下この条において同じ。)又は維持保全をする者に対して、相当の猶予期限を付けて、同条第1項又は第2項の規定に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。

A 国、都道府県又は建築主事を置く市町村の特別特定建築物については、前項の規定は、適用しない。この場合において、所管行政庁は、国、都道府県又は建築主事を置く市町村の特別特定建築物が前条第1項又は第2項の規定に違反している事実があると認めるときは、直ちに、その旨を当該特別特定建築物を管理する機関の長に通知し、前項に規定する措置をとるべきことを要請しなければならない。

B 所管行政庁は、前2項の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、特別特定建築物の建築若しくは維持保全をする者に対し、特別特定建築物の利用円滑化基準(前条第2項の条例で付加した事項を含む。次条において同じ。)への適合に関する事項に関し報告させ、又はその職員に、特別特定建築物若しくはその工事現場に立ち入り、特別特定建築物、建築設備、書類その他の物件を検査させることができる。

C 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

D 第3項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 

(特定建築物の建築等における努力義務等)

第5条

@ 特定建築物の建築(用途の変更をして特定建築物にすることを含む。以下同じ。)をしようとする者(第3条第1項前段又は第2項の規定が適用される者を除く。)は、当該特定建築物を利用円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

A 特定建築物の特定施設の修繕又は模様替をしようとする者(第3条第1項後段又は第2項の規定が適用される者を除く。)は、当該特定施設を利用円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

B 所管行政庁は、特定建築物について前2項に規定する措置の適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、前2項に規定する者に対し、利用円滑化基準を勘案して、特定建築物又はその特定施設の設計及び施工に係る事項について必要な指導及び助言をすることができる。

 

第3章 特定建築物の建築等及び維持保全の計画の認定

 

(計画の認定)

第6条

@ 特定建築物の建築、修繕又は模様替(修繕又は模様替にあっては、特定施設に係るものに限る。以下「建築等」という。)をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、特定建築物の建築等及び維持保全の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。

A 前項の計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1.特定建築物の位置

2.特定建築物の延べ面積、構造方法及び用途並びに敷地面積

3.計画に係る特定施設の構造及び配置並びに維持保全に関する事項

4.特定建築物の建築等の事業に関する資金計画

5.その他国土交通省令で定める事項

B 所管行政庁は、第1項の申請があった場合において、当該申請に係る特定建築物の建築等及び維持保全の計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、認定(以下「計画の認定」という。)をすることができる。

1.前項第3号に掲げる事項が、利用円滑化基準を超え、かつ、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにするために誘導すべき国土交通省令で定める特定施設の構造及び配置に関する基準(以下「利用円滑化誘導基準」という。)に適合すること。

2.前項第4号に掲げる資金計画が、特定建築物の建築等の事業を確実に遂行するため適切なものであること。

C 計画の認定の申請をする者は、所管行政庁に対し、当該申請に併せて、建築基準法第6条第1項(同法第87条第1項において準用する場合を含む。第7項において同じ。)の規定による確認の申請書を提出して、当該申請に係る特定建築物の建築等の計画が同法第6条第1項の建築基準関係規定に適合する旨の建築主事の通知(第7項及び第8項において「適合通知」という。)を受けるよう申し出ることができる。

D 前項の申出を受けた所管行政庁は、速やかに当該申出に係る特定建築物の建築等の計画を建築主事に通知しなければならない。

E 建築基準法第18条第3項の規定は、建築主事が前項の通知を受けた場合について準用する。この場合においては、建築主事は、申請に係る特定建築物の建築等の計画が第3条第1項の規定に適合するかどうかを審査することを要しないものとする。

F 所管行政庁が、適合通知を受けて計画の認定をしたときは、当該計画の認定に係る特定建築物の建築等の計画は、建築基準法第6条第1項の規定による確認済証の交付があったものとみなす。

G 建築基準法第12条第5項、第93条及び第93条の2の規定は、建築主事が適合通知をする場合について準用する。

 

(計画の変更)

第7条

@ 計画の認定を受けた者(以下「認定事業者」という。)は、当該計画の認定を受けた計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、所管行政庁の認定を受けなければならない。

A 前条の規定は、前項の場合について準用する。

 

(認定建築物の容積率の特例)

第8条

 建築基準法第52条第1項、第2項、第6項、第11項及び第13項、第52条の2第3項第2号、第52条の3第2項、第59条第1項及び第3項、第59条の2第1項、第60条第1項、第60条の2第1項及び第4項、第68条の3第1項、第68条の4、第68条の5(第1号イを除く。)、第68条の5の2第1項(第1号ロを除く。)、第68条の5の3(第1号ロを除く。)、第68条の5の4第1項第1号ロ、第68条の8、第68条の9、第86条第3項及び第4項、第86条の2第2項及び第3項、第86条の5第3項並びに第86条の6第1項に規定する建築物の容積率(同法第59条第1項、第60条の2第1項及び第68条の9に規定するものについては、これらの規定に規定する建築物の容積率の最高限度に係る場合に限る。)の算定の基礎となる延べ面積には、同法第52条第3項及び第5項に定めるもののほか、計画の認定を受けた計画(第7条第1項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。第11条において同じ。)に係る特定建築物(以下「認定建築物」という。)の特定施設の床面積のうち、通常の建築物の特定施設の床面積を超えることとなるもので政令で定める床面積は、算入しないものとする。

 

(表示等)

第9条

 認定事業者は、認定建築物の建築等をしたときは、当該認定建築物、その敷地又はその利用に関する広告その他の国土交通省令で定めるもの(次項において「広告等」という。)に、国土交通省令で定めるところにより、当該認定建築物が計画の認定を受けている旨の表示を付することができる。

定による場合を除くほか、建築物、その敷地又はその利用に関する広告等に、同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。

 

(報告の徴収)

10条

 所管行政庁は、認定事業者に対し、認定建築物の建築等又は維持保全の状況について報告を求めることができる。

 

(改善命令)

11条

 所管行政庁は、認定事業者が計画の認定を受けた計画に従って認定建築物の建築等又は維持保全を行っていないと認めるときは、当該認定事業者に対し、相当の期限を定めて、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 

(計画の認定の取消し)

12条

 所管行政庁は、認定事業者が前条の規定による処分に違反したときは、計画の認定を取り消すことができる。

 

(資金の確保等)

13条

 国及び地方公共団体は、認定建築物の特定施設を高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるようにするため必要な資金の確保その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

 

第4章 雑 則

 

(既存の特定建築物に設ける昇降機についての建築基準法の特例)

14条

@ この法律の施行の際現に存する特定建築物に専ら車いすを使用している者の利用に供する昇降機を設置する場合において、当該昇降機が次に掲げる基準に適合し、所管行政庁が防火上及び避難上支障がないと認めたときは、当該昇降機については、建築基準法第27条第1項、第61条及び第62条第1項の規定は適用しない。

1.昇降機及び当該昇降機の設置に係る特定建築物の主要構造部の部分の構造が国土交通省令で定める安全上及び防火上の基準に適合していること。

2.昇降機の制御方法及びその作動状態の監視方法が国土交通省令で定める安全上の基準に適合していること。

A 建築基準法第93条第1項本文及び第2項の規定は、前項の規定により所管行政庁が防火上及び避難上支障がないと認める場合について準用する。

 

(高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる建築物の容積率の特例)

15条

 特定施設(建築基準法第52条第5項に規定する共同住宅の共用の廊下及び階段を除く。)の床面積が高齢者、身体障害者等の円滑な利用を確保するため通常の床面積よりも著しく大きい建築物で、国土交通大臣が高齢者、身体障害者等の円滑な利用を確保する上で有効と認めて定める基準に適合するものについては、当該建築物を同条第13項第1号に規定する建築物とみなして、同項の規定を適用する。

 

(研究開発の促進のための措置)

16条

 国は、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる建築物の建築の促進に資する技術に関する研究開発を促進するため、当該技術に関する情報の収集及び提供その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

 

(国民の理解を深める等のための措置)

17条

 国は、教育活動、広報活動等を通じて、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる建築物の建築の促進に関する国民の理解を深めるとともに、その実施に関する国民の協力を求めるよう努めなければならない。

 

(地方公共団体の責務)

18条

 地方公共団体は、国の施策に準じて高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる建築物の建築を促進するよう努めなければならない。

 

第5章 罰 則

 

19条 第4条第1項の規定による命令に違反した者は、100万円以下の罰金に処する。

 

20条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。

1.第4条第3項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

2.第9条第2項の規定に違反した者

 

21条

 第10条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、20万円以下の罰金に処する。

 

22条

 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の刑を科する。

 

 

高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律施行令

 

最終改正平成2003(平成15)年1月22日

 

(特定建築物)

第1条

 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(以下「法」という。)第2条第2号の政令で定める建築物は、次に掲げるもの(建築基準法(昭和25年法律第201号)第3条第1項に規定するもの及び文化財保護法(昭和25年法律第214号)第83条の3第1項又は第2項の伝統的建造物群保存地区内における同法第2条第1項第5号の伝統的建造物群を構成しているものを除く。)とする。

1.学校

2.病院又は診療所

3.劇場、観覧場、映画館又は演芸場

4.集会場又は公会堂

5.展示場

6.卸売市場又は百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗

7.ホテル又は旅館

8.事務所

9.共同住宅、寄宿舎又は下宿

10.老人ホーム、保育所、身体障害者福祉ホームその他これらに類するもの

11.老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類するもの

12.体育館、水泳場、ボーリング場その他これらに類する運動施設又は遊技場

13.博物館、美術館又は図書館

14.公衆浴場

15.飲食店又はキャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホールその他これらに類するもの

16.郵便局又は理髪店、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗

17.自動車教習所又は学習塾、華道教室、囲碁教室その他これらに類するもの

18.工場

19.車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合いの用に供するもの

20.自動車の停留又は駐車のための施設

21.公衆便所

 

(特別特定建築物)

第2条 

法第2条第3号の政令で定める特定建築物は、次に掲げるものとする。

1.盲学校、聾学校又は養護学校

2.病院又は診療所

3.劇場、観覧場、映画館又は演芸場

4.集会場又は公会堂

5.展示場

6.百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗

7.ホテル又は旅館

8.保健所、税務署その他不特定かつ多数の者が利用する官公署

9.老人ホーム、身体障害者福祉ホームその他これらに類するもの(主として高齢者、身体障害者等が利用するものに限る。)

10.老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類するもの

11.体育館(一般公共の用に供されるものに限る。)、水泳場(一般公共の用に供されるものに限る。)若しくはボーリング場又は遊技場

12.博物館、美術館又は図書館

13.公衆浴場

14.飲食店

15.郵便局又は理髪店、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗

16.車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合いの用に供するもの

17.自動車の停留又は駐車のための施設(一般公共の用に供されるものに限る。)

18.公衆便所

 

(特定施設)

第3条 法第2条第4号の政令で定める施設は、次に掲げるものとする。

1.出入口

2.廊下その他これに類するもの(以下「廊下等」という。)

3.階段(その踊場を含む。以下同じ。)

4.傾斜路(その踊場を含む。以下同じ。)

5.昇降機

6.便所

7.敷地内の通路

8.駐車場

9.その他国土交通省令で定める施設

 

(都道府県知事が所管行政庁となる建築物)

第4条 

@ 法第2条第6号の政令で定める建築物のうち建築基準法第97条の2第1項の規定により建築主事を置く市町村の区域内のものは、同法第6条第1項第4号に掲げる建築物(その新築、改築、増築、移転又は用途の変更に関して、法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定により都道府県知事の許可を必要とするものを除く。)以外の建築物とする。

A 法第2条第6号の政令で定める建築物のうち建築基準法第97条の3第1項の規定により建築主事を置く特別区の区域内のものは、次に掲げる建築物(第2号に掲げる建築物にあっては、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の17の2第1項の規定により同号に規定する処分に関する事務を特別区が処理することとされた場合における当該建築物を除く。)とする。

1.延べ面積(建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第2条第1項第4号の延べ面積をいう。以下同じ。)が1万平方メートルを超える建築物

2.その新築、改築、増築、移転又は用途の変更に関して、建築基準法第51条(同法第87条第2項及び第3項において準用する場合を含み、市町村都市計画審議会が置かれている特別区にあっては、卸売市場に係る部分に限る。)並びに同法以外の法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定により都知事の許可を必要とする建築物

 

(基準適合義務の対象となる特別特定建築物の規模)

第5条

 法第3条第1項の政令で定める規模は、床面積(増築若しくは改築又は用途の変更の場合にあっては、当該増築若しくは改築又は用途の変更に係る部分の床面積)の合計2,000平方メートルとする。

 

(利用円滑化基準)

第6条

 法第3条第1項の政令で定める特定施設の構造及び配置に関する基準は、次条から第16条までに定めるところによる。

 

(廊下等)

第7条

 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する廊下等は、次に掲げるものでなければならない。

1.表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。

2.階段又は傾斜路(階段に代わり、又はこれに併設するものに限る。)の上端に近接する廊下等の部分(不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用するものに限る。)には、視覚障害者に対し段差又は傾斜の存在の警告を行うために床面に敷設されるブロックその他これに類するものであって、点状の突起が設けられており、かつ、周囲の床面との色の明度の差が大きいこと等により容易に識別できるもの(以下「点状ブロック等」という。)を敷設すること。ただし、視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める場合は、この限りでない。

 

(階段)

第8条

 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する階段は、次に掲げるものでなければならない。

1.踊場を除き、手すりを設けること。

2.表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。

3.踏面の端部とその周囲の部分との色の明度の差が大きいこと等により段を容易に識別できるものとすること。

4.段鼻の突き出しがないこと等によりつまずきにくい構造とすること。

5.段がある部分の上端に近接する踊場の部分(不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用するものに限る。)には、点状ブロック等を敷設すること。ただし、視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める場合は、この限りでない。

6.主たる階段は、回り階段でないこと。ただし、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難であるときは、この限りでない。

 

(階段に代わり、又はこれに併設する傾斜路)

第9条

 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する傾斜路(階段に代わり、又はこれに併設するものに限る。)は、次に掲げるものでなければならない。

1.勾配が12分の1を超え、又は高さが16センチメートルを超える傾斜がある部分には、手すりを設けること。

2.表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。

3.その前後の廊下等との色の明度の差が大きいこと等によりその存在を容易に識別できるものとすること。

4.傾斜がある部分の上端に近接する踊場の部分(不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用するものに限る。)には、点状ブロック等を敷設すること。ただし、視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める場合は、この限りでない。

 

(便所)

10条

@ 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する便所を設ける場合には、そのうち1以上は、次に掲げるものでなければならない。

1.便所(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれの便所)内に、車いすを使用している者(以下「車いす使用者」という。)が円滑に利用することができるものとして国土交通大臣が定める構造の便房(以下「車いす使用者用便房」という。)を1以上設けること。

2.車いす使用者用便房が設けられている便所の出入口又はその付近に、その旨を表示した標識を掲示すること。

A 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する男子用小便器のある便所を設ける場合には、そのうち1以上に、床置式の小便器その他これに類する小便器を1以上設けなければならない。

 

(敷地内の通路)

11条

 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する敷地内の通路は、次に掲げるものでなければならない。

1.表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げること。

2.段がある部分は、次に掲げるものであること。

イ 手すりを設けること。

ロ 踏面の端部とその周囲の部分との色の明度の差が大きいこと等により段を容易に識別できるものとすること。

ハ 段鼻の突き出しがないこと等によりつまずきにくい構造とすること。

3.傾斜路は、次に掲げるものであること。

イ 勾配が12分の1を超え、又は高さが16センチメートルを超え、かつ、勾配が20分の1を超える傾斜がある部分には、手すりを設けること。

ロ その前後の通路との色の明度の差が大きいこと等によりその存在を容易に識別できるものとすること。

 

(駐車場)

12条

@ 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する駐車場を設ける場合には、そのうち1以上に、車いす使用者が円滑に利用することができる駐車施設(以下「車いす使用者用駐車施設」という。)を1以上設けなければならない。

A  車いす使用者用駐車施設は、次に掲げるものでなければならない。

1.幅は、350センチメートル以上とすること。

2.車いす使用者用駐車施設又はその付近に、車いす使用者用駐車施設の表示をすること。

3.次条第1項第3号に定める経路の長さができるだけ短くなる位置に設けること。

 

(利用円滑化経路)

13条

@ 次に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定める経路のうち1以上を、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる経路(以下「利用円滑化経路」という。)にしなければならない。

1.建築物に、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する居室(直接地上へ通ずる出入口のある階(以下この条において「地上階」という。)又はその直上階若しくは直下階のみに居室がある建築物にあっては、地上階にあるものに限る。以下「利用居室」という。)を設ける場合 道又は公園、広場その他の空地(以下「道等」という。)から当該利用居室までの経路

2.建築物又はその敷地に車いす使用者用便房を設ける場合 利用居室(当該建築物に利用居室が設けられていないときは、道等。次号において同じ。)から当該車いす使用者用便房までの経路

3.建築物又はその敷地に車いす使用者用駐車施設を設ける場合 当該車いす使用者用駐車施設から利用居室までの経路

A 利用円滑化経路は、次に掲げるものでなければならない。

1.当該利用円滑化経路上に階段又は段を設けないこと。ただし、傾斜路又は昇降機を併設する場合は、この限りでない。

2.当該利用円滑化経路を構成する出入口は、次に掲げるものであること。

イ 幅は、80センチメートル以上とすること。

ロ 戸を設ける場合には、自動的に開閉する構造その他の車いす使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないこと。

3.当該利用円滑化経路を構成する廊下等は、第7条の規定によるほか、次に掲げるものであること。

イ 幅は、120センチメートル以上とすること。

ロ 50メートル以内ごとに車いすの転回に支障がない場所を設けること。

ハ 戸を設ける場合には、自動的に開閉する構造その他の車いす使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないこと。

4.当該利用円滑化経路を構成する傾斜路(階段に代わり、又はこれに併設するものに限る。)は、第9条の規定によるほか、次に掲げるものであること。

イ 幅は、階段に代わるものにあっては120センチメートル以上、階段に併設するものにあっては90センチメートル以上とすること。

ロ 勾配は、12分の1を超えないこと。ただし、高さが16センチメートル以下のものにあっては、8分の1を超えないこと。 

ハ 高さが75センチメートルを超えるものにあっては、高さ75センチメートル以内ごとに踏幅が150センチメートル以上の踊場を設けること。

5.当該利用円滑化経路を構成する昇降機(次号に規定するものを除く。以下この号において同じ。)及びその乗降ロビーは、次に掲げるものであること。

イ かご(人を乗せ昇降する部分をいう。以下この号において同じ。)は、利用居室、車いす使用者用便房又は車いす使用者用駐車施設がある階及び地上階に停止すること。

ロ かご及び昇降路の出入口の幅は、80センチメートル以上とすること。

ハ かごの奥行きは、135センチメートル以上とすること。

ニ 乗降ロビーは、高低差がないものとし、その幅及び奥行きは、150センチメートル以上とすること。

ホ かご内及び乗降ロビーには、車いす使用者が利用しやすい位置に制御装置を設けること。

ヘ かご内に、かごが停止する予定の階及びかごの現在位置を表示する装置を設けること。

ト 乗降ロビーに、到着するかごの昇降方向を表示する装置を設けること。

チ 不特定かつ多数の者が利用する建築物(法第3条第2項の規定により条例で同条第1項の規模を別に定めたときは、床面積の合計が2000平方メートル以上の建築物に限る。)の利用円滑化経路を構成する昇降機にあっては、イからハまで、ホ及びヘに定めるもののほか、次に掲げるものであること。

(1) かごの床面積は、1.83平方メートル以上とすること。

(2) かごは、車いすの転回に支障がない構造とすること。

リ 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用する昇降機及び乗降ロビーにあっては、イからチまでに定めるもののほか、次に掲げるものであること。ただし、視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める場合は、この限りでない。  

(1) かご内に、かごが到着する階並びにかご及び昇降路の出入口の戸の閉鎖を音声により知らせる装置を設けること。

(2) かご内及び乗降ロビーに設ける制御装置(車いす使用者が利用しやすい位置及びその他の位置に制御装置を設ける場合にあっては、当該その他の位置に設けるものに限る。)は、点字により表示する等視覚障害者が円滑に操作することができる構造とすること。

(3) かご内又は乗降ロビーに、到着するかごの昇降方向を音声により知らせる装置を設けること。

6.当該利用円滑化経路を構成する特殊な構造又は使用形態の昇降機は、車いす使用者が円滑に利用することができるものとして国土交通大臣が定める構造とすること。

7.当該利用円滑化経路を構成する敷地内の通路は、第11条の規定によるほか、次に掲げるものであること。

イ 幅は、120センチメートル以上とすること。

ロ 50メートル以内ごとに車いすの転回に支障がない場所を設けること。

ハ 戸を設ける場合には、自動的に開閉する構造その他の車いす使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、かつ、その前後に高低差がないこと。

ニ 傾斜路は、次に掲げるものであること。

(1) 幅は、段に代わるものにあっては120センチメートル以上、段に併設するものにあっては90センチメートル以上とすること。

(2) 勾配は、12分の1を超えないこと。ただし、高さが16センチメートル以下のものにあっては、8分の1を超えないこと。

(3) 高さが75センチメートルを超えるもの(勾配が20分の1を超えるものに限る。)にあっては、高さ75センチメートル以内ごとに踏幅が150センチメートル以上の踊場を設けること。

B 第1項第1号に定める経路を構成する敷地内の通路が地形の特殊性により前項第7号の規定によることが困難である場合における前2項の規定の適用については、第1項第1号中「道又は公園、広場その他の空地(以下「道等」という。)」とあるのは、「当該建築物の車寄せ」とする。

 

(案内設備までの経路)

14条

@ 建築物又はその敷地に当該建築物の案内設備を設ける場合は、道等から当該案内設備までの経路(不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用するものに限る。)のうち1以上を、視覚障害者が円滑に利用できる経路(以下「視覚障害者利用円滑化経路」という。)にしなければならない。ただし、視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める場合は、この限りでない。

A 視覚障害者利用円滑化経路は、次に掲げるものでなければならない。

1.当該視覚障害者利用円滑化経路に、線状ブロック等(視覚障害者の誘導を行うために床面に敷設されるブロックその他これに類するものであって、線状の突起が設けられており、かつ、周囲の床面との色の明度の差が大きいこと等により容易に識別できるものをいう。)及び点状ブロック等を適切に組み合わせて敷設し、又は音声その他の方法により視覚障害者を誘導する設備を設けること。ただし、進行方向を変更する必要がない風除室内においては、この限りでない。

2.当該視覚障害者利用円滑化経路を構成する敷地内の通路の次に掲げる部分には、点状ブロック等を敷設すること。

イ 車路に近接する部分

ロ 段がある部分又は傾斜がある部分の上端に近接する部分(視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分を除く。)

 

(増築等に関する適用範囲)

15条

 建築物の増築又は改築(用途の変更をして特別特定建築物にすることを含む。以下この条において「増築等」という。)をする場合には、第7条から前条までの規定は、次に掲げる建築物の部分に限り、適用する。

1.当該増築等に係る部分

2.道等から前号に掲げる部分にある利用居室までの1以上の経路を構成する出入口、廊下等、階段、傾斜路、昇降機及び敷地内の通路

3.不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する便所

4.第1号に掲げる部分にある利用居室(当該部分に利用居室が設けられていないときは、道等。第6号において同じ。)から車いす使用者用便房(前号に掲げる便所に設けられるものに限る。)までの1以上の経路を構成する出入口、廊下等、階段、傾斜路、昇降機及び敷地内の通路

5.不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する駐車場

6.車いす使用者用駐車施設(前号に掲げる駐車場に設けられるものに限る。)から第1号に掲げる部分にある利用居室までの1以上の経路を構成する出入口、廊下等、階段、傾斜路、昇降機及び敷地内の通路

 

(条例で定める特定建築物に関する読替え)

16条

 法第3条第2項の規定により特別特定建築物に条例で定める特定建築物を追加した場合における第7条から前条までの規定の適用については、これらの規定中「不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する」とあるのは「多数の者が利用する」と、同条中「特別特定建築物」とあるのは「法第3条第2項の条例で定める特定建築物」とする。

 

(報告及び立入検査)

17条

@ 所管行政庁は、法第4条第3項の規定により、法第3条第1項の政令で定める規模(同条第2項の条例で別に定める規模を含む。次項において同じ。)以上の特別特定建築物(同条第2項の条例で定める特定建築物を含む。以下この条において同じ。)の建築(用途の変更をして特別特定建築物にすることを含む。)又は維持保全をする者に対し、当該特別特定建築物につき、当該特別特定建築物の利用円滑化基準(同条第2項の条例で付加した事項を含む。)への適合に関する事項に関し報告させることができる。

A 所管行政庁は、法第4条第3項の規定により、その職員に、法第3条第1項の政令で定める規模以上の特別特定建築物又はその工事現場に立ち入り、当該特別特定建築物の特定施設及びこれに使用する建築材料並びに設計図書その他の関係書類を検査させることができる。

 

(認定建築物の容積率の特例)

18条

 法第8条の政令で定める床面積は、認定建築物の延べ面積の10分の1を限度として、当該認定建築物の特定施設の床面積のうち、通常の建築物の特定施設の床面積を超えることとなるものとして国土交通大臣が定めるものとする。

 

附 則(抄)

(施行期日)

1 この政令は、法の施行の日(平成6年9月28日)から施行する。

 

 

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