ビーバー 2         Discography

ヴァイオリン・ソナタ集  

1 affetti musicali  輸入盤 
  音がとても鮮明なのに驚かされる。ヴァイオリン奏者のMarianne Ronez については、僕は何も知らない。CDが出ているのはオーストリア、それもウィーンではなくてインスブルックというマイナーな土地だ。

ともかく、音の活きのよさに惹かれて、ロザリオのソナタなども注文する気になった。
2 アンドリュー・マンゼ  輸入盤
  すぐ下の寺神戸が抜粋なのに対し、こちらは全曲である。なので、寺神戸より上位に置くことにした。全曲なので、CDも2枚組である。同じ曲でも、寺神戸とはかなり印象が違って面白い。

特に、こちらでも1枚目の最後に「描写的なソナタ」が入っているが、その中の雄鳥と猫の声の違いに、思わず国の違いを感じさせられた。つまり、寺神戸の弾く雄鳥と猫の声は、日本人である僕などにはいかにもそれらしく聞こえるのだが、マンゼの演奏では、「おや、少し違うなー」と思わされるのである。コケコッコーもニャーも、寺神戸と比べると少し低いのである。イギリスでは、雄鳥も猫も低く鳴くのだろうか? それとも、マンゼがそう弾いているだけなのか? 考えるだけで面白くなってくる。
3 寺神戸 亮  国内盤
  8曲あるソナタの全曲ではなく、抜粋である。5番、6番、8番が収録されている。それに加え、ロザリオのソナタの一部と、動物の声が採り入れられて楽しい「描写的なソナタ」が入れられてる。いかにも日本人の演奏だと思わせるようなしっとりとした録音であり、安心して聴ける。
4 グーナー・レツボア  輸入盤
  研究室に新しく入れたウィーン・アコースティック社製のスピーカーで聞くと、すべてのソースが、これまで聞いたことがないくらいに生々しく響くのだが、とりわけレツボアではそうである。さらに、レツボアには、一体どんな楽器で出しているのか? といぶかられるような音が入っている(上のロザリオのソナタの「ガリッ!」がそれにあたる)のだが、これにも入っていた。

説明すると、これにも上二つと同じ、「描写的なソナタ」が収録されているのだが、その中の、動物のところでも何回か「んっ?」と思わされる音が聞こえた。さらに、最後の兵隊の楽章では、「ビーン」というような、どんな楽器で出しているのか正体不明の音が最初から最後まで鳴り響いているというしだいである。マンゼでも寺神戸でも、そんなものは気づかなかった。機会があったら、誰か詳しい人に訊いてみたいものだ。
5 ジョン・ホロウェイ (上)  輸入盤 
  上のロザリオのソナタでは、おとなしすぎて物足りないホロウェイだが、こちらでは曲の雰囲気に合っているのか、しみじみと美しさを噛みしめることができるという感じである。何回聴いても飽きることがない、名演だと思う。

入っている曲は、ソナタ81、3、4、6、7、84。聴いたことのなかった81と84の中に、ロザリオ…に出てくるのと似たメロディーが何カ所か聞こえた。
6 ジョン・ホロウェイ (下) 輸入盤 
上のがあまりにきれいな演奏なので、つられてこちらも買ってみた。こちらもやっぱりいい出来だと思う。

収録曲は、まずロザリオのソナタの10番、さらに、ソナタの1番、2番、5番、8番に加え、Armonico tributo の中のソナタの1番である。
7 M・ハジェット/楽団ソナリ (5,7,2,3,パッサカリアなど) 輸入盤 
  ハジェットはイギリスのお馴染みのソリストで、楽団はソナリとよく演奏しているらしい。ロザリオのソナタも録音していたと記憶している。

全体的に、非常に繊細な音作りだと思う。攻撃的なところが一切なく、安心して聞けると思う。それは最初の第5番の出だしからも分かる。この部分はとても高い音で始まるのだが、それが、まさにピアニッシモの音で開始されているのだ。ハジェットは、ホグウッド指揮のヴィヴァルディの演奏などではどちらかというと朗らかな奏風だったと記憶しているだけに、ちょっと意外である。
8 リリアルテ (5,3,6など)  輸入盤 
   演奏自体はいいのだが、全然聞いたことのない、そして古楽の範疇に入らない Berio という作曲家の作と混ぜて、それも、ご丁寧に1曲ごとに交代する形で演奏されるのが興ざめで、それが残念なCDである。