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1最初のドイツ語の学習の仕方
1-11年生の学習の仕方
「休まないで出席する」
さいしょに大事なのは「休まないで出席する」ということに尽きます。なかでも初めて学ぶ第二外国語は、一回でも休むと取り返すのが困難です。なんらかの止むを得ない事情があって、休まねばならないことが事前に分かってる場合には、かならず先生のところに行って、だいたいの授業と宿題の内容を聞きましょう。あるいは休んだあとの授業の二三日前にやはり同じように、先生のところに行って前回の授業と宿題のことを訊きましょう。
「間違ってもぜーんぜん恥ずかしくない」
きみたちのようにドイツ語を学習者の特権は、なにしろ初めての言葉なんですから、「間違っても恥ずかしくない」ということです。かならず先生は間違いを直してくれますが、たとえば教室で当てられたときはとくに、この「間違っても恥ずかしくない」を忘れずに、がんがん喋ってください、と言うより喋らないと逆に恥ずかしくなります。なんなら Ich weiß nicht.「分かりません」とか、Wie
heißt…… auf Deutsch? / Wie sagt man…… auf Deutsch?「ドイツ語で……って、なんて言うのですか」と、ネイティヴの先生に訊いたっていいし、カセットの聞き取りが分からなかったら「もう一回聴かせてください」を、何度も連発してもかまいません。
ただし何度も同じ間違いを繰り返すのは考えものですが、会話のなかで同じ間違いを自分でも直すというのは、あくまでも1年生の最初は努力目標にすぎません(文法や作文は話が別です)。
「きちんとノートを取ろうね」
あたりまえのことですがノートはきちんと取りましょう。さいきんは書き込み式の教科書も多いですが、ノートはやはり一冊用意しておいて(ルーズ・リーフは不向きで、自己管理に自信のあるひとだけ)、先生のプリントやレポートも貼り付けていきましょう。
「さいしょは辞書は要りません」
なかには辞書を買わせる先生もたしかにいますが、その場合でも1回目の授業で指示があるはずです。なので授業開始前に辞書を買っておく必要はありません。なお口頭クラスは基本的に辞書を使わずに、教科書の単語リスト Glossar を教員が訳したファイルがありますので、ワープロ・ソフト Microsoft Word のファイルが欲しいひとは、黒田までメール(kuroda@cc.matsuyama-u.ac.jp、ただし携帯メールは不可)するか、AVライブラリーに行ってコピーしてください。
ただし1年生のうちから将来は留学を希望していて、ヤル気満々でどうしても辞書を持ちたいひとは、次のことを目安にして辞書を買ってください:
− 2000〜3000円のものは初学者対象で、とても引きやすくできていますが、そのぶん単語数が少なく2年生以降や留学先での学習には役立ちません。
− 3000〜4000円のものは収録語彙数は十分ですが、初学者が引くのはとても難しくなっています。
− さらに最後は個人的な好みもありますので、たとえば ein (英語の a に相当する)や haben (おなじく have に相当)という、基本的な単語を色々な辞書で引いてみて、「一番自分に分かりやすい説明」のあるものを買ってください。あと自分の好みにあったレイアウトというのも大事な要素ですよ。
「1学期はまず慣れること、2学期はコツコツと」
かなり多くの学生が「1学期は楽しかったけど、2学期になって急に早くなった」という感想を漏らしています。たしかに1学期は初めてのことを学ぶ楽しさのため、「あっと言う間に授業が終わっちゃった」という感じでしょう。だけれど実際は新しいアルファベットや発音など多くの知識を習得しているはずです。たんに楽しく授業受けられるぶんだけそれが覆い隠されているだけです。ただし2学期になって学ぶ文法や単語が多いのも事実なんです。だから1学期は新しい言葉に楽しみながら少しずつ慣れる勉強を、そして2学期からは気を引き締めてコツコツ積み重ねる勉強をしてください。
だいじなのは少しでも分からないことがあったら、そのまま一人で放っておかないですぐ先生に質問することです。さもないと授業についてこれないで、せっかく新しく学ぶドイツ語が嫌いになってしまいます。わたしたち教員が最も恐れていることがそれです。
「なによりもドイツ語をまず好きになってください」
ちょっとぐらい点数悪くてもドイツ語好きになってくれたら、それこそ教員は天にも昇るほど舞い上がってプルプル感動しますっ! Viel Spaß !
1-22年生以上の学習の仕方
1-3留学する学生の学習の仕方
さいしょに大切なのは現地でどのクラスに入るのかということ。なにしろ高いお金を払って勉強するのですから、なるたけ上のクラスをねらうぐらいの心づもりをしてください。
きっと到着した次の日にはもうクラス分けのテストが待っているはず。たとえばゲーテ・インスティトゥートなら、
G(rundstufe)I 初級でゼロから始める
GII
GIII
M〜 中級
というように分けられています。
だいたい日本人は「文法は出来ても喋れない」ということもあって、ペーパー・テストで高得点を取って中級クラスに入っても、授業についていけないということをしばしば耳にします。だけれど「喋れる・喋れない」というのはもう、それこそ能力ではなく度胸の問題だと言えます。さらに言えば現地のドイツ語学校ではむしろ、口頭試験が重視されるため、日本の大学でせっかく1年半以上も勉強しているのに、GTに入れられてしまうという始末(「先生、ボク、このクラスで満足なんです」なんて、言わないでね)!
こんなことでいったいよいのでしょうか!? → なわけないじゃないですかっ!!
だとすればどうしたらよいのか?? ここでベストの対策を伝授しましょう。
− ちゃんと渡独まえに準備をしておく
− 口頭試験では基本的に、ドイツでなにをしたいか、ということが訊かれる
− だから自分のしたいことを「ただなんとなく」ではなく、「具体的」に言えるように、図書館のガイドブック
『ドイツ トラベル事典』
『とってもドイツ博物館めぐり』
『ドイツ道具の旅』
などを利用して下調べしておく(きちんと地名などの固有名詞をメモしておく)
− かんたんな自己紹介・家族の紹介も含め、自分がドイツ語でしたいこと・行きたい場所を、ドイツ語で最低5分ぐらいは言えるように、ドイツ語で作文をしておく
− これを行くまえになにも見ずに言えるよう練習する
(− さらに反則技として実際の口頭試験では、写真・地図・コピーなんかも見せながら、プレゼンテーションにも工夫する
→ みんなで真似すると逆効果かも)
さあ準備は整いました。きっと松大生だったらGIIは入れるでしょう。
2個別の学習の仕方
2-1読む
2-2書く
きみたちがドイツ語で作文するさいによく見られる、初歩的な間違いを以下に挙げますので参考にしてください:
− あまりテクストをよく見てないためにミススペルがある。
− ちょっと似ていますが英語で書いて平気でいる。たとえば:
誤 English− 正 Englisch
誤 Canada− 正 Kanada
− これも英語からの影響ですが名詞のさいしょが小文字になっている。あくまでもドイツ語は一般名詞を大文字で始めます。たとえば一般名詞以外の人称代名詞:
ich, du, er, sie, es, wir, ihr, sie
わたしは、きみは、かれは、かのじょは、それは、わたしたちは、きみたちは、かれらは
は小文字で始めます。ただし敬称の:
Sie, Ihnen, Ihr
あなた(たち)は、あなた(たち)に、あなた(たち)の
は、文頭でも文中でも大文字で初めてくださいね。
− かなり多くて添削してて困っちゃうのですが、おなじ相手なのに
親称の単数:du, dir, dich, dein
きみは、きみに、きみを、きみの
親称の複数:ihr, euch, euer
きみたちは、きみたちに・を、きみたちの
敬称の単・複数:Sie, Ihnen, Ihr
あなた(たち)は・を、あなた(たち)に、あなた(たち)の
をゴッチャに使っている。たとえば丁寧に扱うべき相手を、いきなり「おまえー」はないよなあ。
− さいしょは少しでいいですから、名詞の性・格のことも考えましょう。
− 数字を書くときはくっつけて書きましょう。
誤 neunzehn hundert drei und achtzig
正 neunzehnhundertdreiundachtzig
− …………………………………………………
− …………………………………………………
− ……………………未完成……………………
− …………………………………………………
− さいごだけどピリオド . とコンマ , を忘れないでね。
− あらためて言うまでもないことだけど、ドイツ語にかぎらず自分が書いたものは、書きあがったあとに最低1回は見直しましょう。ちょっと大袈裟だけれど「ラヴ・レター」を書くぐらいの気持ちで。
2-3聴く
2-4話す
2-5その他
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