第一回 甲斐朋香

名前:甲斐朋香/Kai Tomoka
職業:松山大学 講師

▼松山灯明ウォッチングを第一回から立ち上げる。
フットワークの軽さは大学内でも知る人ぞ知る。

某教授曰く
「見かけによらず」
フットワークは軽い。


吟醸酒

研究室の片隅に、金色の筒箱が転がっている。
表には墨で黒々と「箱入り娘」の銘。

実はコレ、福岡にある酒蔵の吟醸酒の銘柄。
去年の冬、両親が洒落まじりにぶら下げてきた差し入れである。
包装は二重になっていて、やたらと麗々しかったが、中身はただの四合瓶だった。

大学院進学

その昔、私の大学院進学を、両親は殊の外喜んだものだった。
尊敬する先輩の娘さんと同じ道を選んだ(わが娘との能力差は計算外だったらしい)という単純な理由もさることながら、
社会人として会社か官庁で働く私のイメージが、どうしても浮かばなかったのだという。

少々ヘソ曲がりなところもある鈍くさい娘でも、大学という、一般世間から幾らか
隔絶された場所でなら生きていけるかもしれないと、ささやかな望み(錯覚?)を抱いたのだろう。
「セクシャル・ハラスメント」という言葉も、今より耳に新しかった時代の話である。

そんな両親の目に、今の私の姿は、一体どのように映っているのだろうか?

灯明ウォッチング

ようやく松山に就職したと思ったら、校庭いっぱいに火を付けて回るという、何やら穏やかならぬ企画を思いついた。
大学という、一種庇護された世界に潜り込めたというのに、毎日ばたばたと外を飛び回っている。
どこかで道を誤ってしまった(元)

「箱入り娘」によるまちづくりイベント「灯幻郷〜まつやま灯明ウォッチング」。
今年も相変わらず滑ったり転んだりを繰り返しつつ、三回目の本番をもうすぐ迎える。



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